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広島市南区皆実町の歯科医院、中村歯科のブログです。
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6044bf12.jpeg標高900メートルにある雲辺寺に登った二のこと。
お天気もよく、「遍路ころがし」と言われている山道を登って行く途中、
60代の男性遍路さんと出会った。

たわいない話をするうちに、その方が何故歩き遍路を始めたか、という話になった。

その方が淡々と語られるには、
娘さんが15歳のとき、通学途中に暴走して来た車にはねられて亡くなった。
その後、あまりの悲しみに心も体も壊してしまった奥様まで亡くなってしまった。
その悲しみから脱するために遍路を始めた・・・とのことであった。

b31e17aa.jpeg「目の前が真っ暗になる・・・という言葉があるでしょう?
本当にね、真っ暗になるんですよ。
何も見えなくなるんです。」

「毎晩 布団の中で声を出して泣きました。」

「行ってらっしゃい、と見送ったその3時間後に、
突然 娘がいなくなってしまったんですよ。」

・・・と、歩きながらとつとつと話される。

a05e40d6.jpeg聞いていて、もうつらくてつらくて、
歩きながらこちらは涙ぼろぼろであった。

私が能天気にウォーキングの旅を楽しんでいるその同じ道を、
この方はどんな思いで歩いてこられたか、と思うと
胸が痛くなるほどだった。

この方の話では、四国遍路を歩いていても いっこうに目の前の暗闇はなくなら3964fb4c.jpegなかったが、
88か所めのお寺にたどりついて最後のお参りを済ませた時に、
ベンチで長い長い時間、ひと目をはばからずに大声で泣いたのだそうで、
それがきっかけで立ち直れたのだそうだ。
そういうわけで今回は「お礼まいり」に歩いています。。。ということであった。

この方とも、お寺についてお参りしたその後は もう一度も出会わなかった。

まさに一期一会の出会いとお話。

下山中は、急な坂道を下りながら、この方のお話をかみしめ、
家族が元気でいてくれるありがたさを思い、
ひいては親の恩まで思いをめぐらせた。

四国遍路は、癒しの道、心を洗う道。

普段 イライラ ばたばた 暮らしている私も、
四国では心清らかに、素直に変身できる、ありがたいお遍路。

ああ、早く続きの道を歩きた~い。



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